アナウンサーブログ

伊藤 拓
Taku Ito

13回目の3・11

2024.03.17 (Sun)

 あれから13年。

私は、震災当日は仙台駅前、翌日は仙台市内の避難所から。

発災4日目からは気仙沼からの中継を担当。

また、16年秋~20年春までOH!バンデスの「がんばろう!宮城」の

コーナーを担当していたこともあり、被災された多くの方とお話しする機会がありました。

 

「『頑張って』って、言われるけど、家族亡くして精一杯生きてんだよ。

 これ以上、何を頑張れっていうんだ。」

「悲しみは何年かしたら『薄れる』かもしれない。でも『消える』ことは絶対にない。」

 

 実際に伺った生の声です。

私もお話を伺うとき、今でも伺ったこの思いだけは忘れないようにしています。

そして、私は、3月に欠かさず行っていることがあります。

それは実際に被災された街に足を運ぶことです。

 

 以前は、震災復興の今をお伝えするコーナーを担当していたこともあり

毎週、被災された街に取材に行っていました。

 しかし、今は業務上、すっかりデスクワークが多くなり、取材自体に出る機会が減りました。

ですから、今は休日を利用し、いろいろな場所に伺うことにしています。

このブログにも掲載いたしましたが、一昨年は福島の浪江に。去年は石巻に。

今年はこちらに。

気仙沼大島です。13年前、大島にも津波が押し寄せました。

そして火災も発生。気仙沼からの中継で何度もその様子を伝えました。

「大島はどうなってんだ!知っていたら教えてください!!」

中継の合間、地元の方からも直接聞かれたこともありました。

 

あれから13年。

この日はご覧のように天気も良く、実にきれいな海・・・。

橋もかかり、港周りにはたくさんのお店があります。

夏の海水浴だけでなく1年中楽しめる観光スポットになりました。

もちろんすべてではありませんが、様々な箇所で、ハード面での復興は進んでいると感じました。

 

 しかし、気仙沼で久しぶりに会った方が話していました。

 

「街もすっかり新しくなったでしょう。前より便利になったと思うでしょう。

 でもね、新しくなったからいいというわけじゃないね。

 13年前の方が良かったな、と思う人もいるんだよ。」

 

改めて、復興とは何か・・・考える機会に。

被災地の「心の復興」はまだまだこれからかもしれません。

*足を延ばして陸前高田にも行ってみました。

 

伊藤 拓
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