アナウンサーブログ

伊藤 拓
Taku Ito

楽天イーグルス アーカイブ①

2020.05.23 (Sat)

グラウンドから球音が消えてまもなく約2か月。イーグルスは20日現在、ようやくユニフォームを着て練習が再開しました。

いつもですと 出社→新聞などでスポーツ記事を見る→所謂、帳面付けという作業(〇〇選手は3打数1安打・・・など記録の資料作り)が

午前中のルーティーンです。

しかし、それがない今・・・いろいろ新聞、野球雑誌を見ていますと、「思い出の〇〇」など、かつての名選手や名場面を振り返る情報を目にします。

あー、あったあった!!私も色々思い出すものです。

コロナでちょっと元気がない時に、このような情報は心が和みます。

色々な記事を見ている私もちょっとイーグルスにまつわる思い出など書いてみたくなりました。基本、すべて私の「しくじりネタ」です。

後輩アナは参考に(笑)。野球ファンは、しばし、ゆるーくお付き合いください。今回は楽天創設時ネタ・・・。

 

2004年9月 入社9年目の秋・・・。仙台にプロ野球球団が誕生する??

本当にこんなことがあるのか?なかなか信じられなかった記憶があります。

いよいよプロ野球が宮城に来るかもしれない・・・。この話題が佳境の9月、私は毎年恒例、女子ゴルフの中継の中継でした。

楽天が手を挙げた・・・。参入に向け一気に話が進む・・・。自分の気持ちの盛り上がりが、なかなかついていかなかった記憶が。

それくらい参入に向け楽天にはスピード感がありました。本当に来るんだ・・・。本当に実感したのは実は、焼き肉店です。

無事ゴルフ中継も終了。「打ち上げ」で焼肉店に。しかし、急遽行けなくなったアナがいました。当時入社4年目、外賀アナです。

楽天の参入がいよいよ決まるという現場からの中継リポーターに駆り出されたのです。

外賀アナには申し訳ないのですが、連日の中継から解放され、酒も肉も進みます。21時前、そろそろ帰ろうかという時、外賀アナの声がテレビから聞こえてきました。

「楽天が新たな歴史の扉を開きます・・・」そんなコメントをした気が。(外賀くん違っていたらすみません)

確かに「歴史」だ・・・。その時、酔いが自分の体からすっと引いていったのを、15年以上前のことですが今でもあの感触は忘れません。

 

では、いきますか。私の失敗・・・。

一番困ったことは、 

「取材の仕方が分からない。」

今だから言えますが恥ずかしい限りです。どうしてか?野球を知らないからです。周りのベテラン記者が「あそこは『逆方向』を意識して・・・?」と聞いていますが

逆方向の意味が分かりません。それもそうです。ミヤテレはサッカー中継はありましたが野球は皆無。野球に基本的に触れることがありませんでした。

実は一度だけ野球実況の機会がありました。2001年 宮城で巨人の二軍戦を日テレがCS中継することがあったのです。その時、せっかくだから3イニングくらい

しゃべってみたら、とお誘いいただいたのです。当時の上司が言いました。「野球はある意味、実況の基本。うちだっていつ野球があるかわからないし、

一人、野球実況できるアナを作っておきたいんだ」と。当時若かった私。正直「野球なんてないでしょ」と思ったのは事実です。ただ、「まあ、やってみよう」ということで

徹夜で資料を作って準備しました。しかし、これが雨で中止。悔しい気持ちもありますが、ほっとしたのでしょう。帰りのバスでいびきかいて大爆睡。

「悔しくないのか!実況できずに!!」会社に帰って上司に怒られました。でもこの時も「ないですよ、野球なんて」と心の中で思う私。今では本当に後悔しています。

一回でも実況していれば野球の見方が変わったと思います。反省しています。

 

放送は決定しました。巨人対楽天 のオープン戦です。楽天初のオープン戦初戦です。

私も走り出すしかない。野球知らない中でもやるしかない。

やはり、変なこと聞いていたんでしょうね。キャンプで当時の田尾監督に取材した後に「私初めてリポーターやるんですよ」と話をしたら

「俺・・・リポーター代わってやろうか?」と言われました。翌日の某スポーツ紙にこのやりとりが掲載されました。

 

相手のピッチャー印象を聞こうとあるコーチに聞きました。かなり単刀直入に。

「相手の〇〇投手ですが、攻略法はどんなところですかね。」

これはかなり怒られました。

「あのなー、ここで話してどこかにもれたらどうすんだ!」と。私、泣きそうになりました。

この内容もリポート担当アナにとっては必要な情報ですが、聞き方や引き出し方のテクニックが全くありませんでした。

しばらくこのコーチにはこわくて近づけませんでした。

 

球団との思いでも一つ。球団も、もちろん試合運営は初めてです。

放送で「選手の談話」が入るのはご存知かと。

「〇〇さん、ホームラン打った□□選手ですが打ったのはスライダー・・・」というやつです。

これは球団広報が選手からコメントを取って、リポーター席に届けてくれるのです。

もちろん、初めてのオープン戦。私も、そのすべを知るわけもありません。日テレの同期アナに聞くと「広報」が持ってきてくれるから大丈夫だよと。

早速、広報に頼みました。しかし・・・。

「試合中に、選手に話しかけられるわけないじゃん。無理だって。」と。

「そんなわけいかねえだろ、俺どうすんだよ、ベンチ入るわけいかないんだから何とかしてって」と私。

「無理だって。無理無理」と広報。こんなやりとりがありました。今では立派な笑い話です。

 

本当にいろいろありました。    続きは次回! 不定期更新ですが(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

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