雨男?でも・・・
後輩アナに譲り、自身の野球実況の機会も少なくなってきたここ2年。
少ない機会を大事に、丁寧に、1回のチャンスにかける!と思って準備をする。
しかし、自分の実況日、一週間前、雨マーク。しかし、翌日晴れマークに。
ほっと一安心。準備に気合も入れ始める。しかし、2日前から一部の予報は雨100%の予報。
この方にも1日2回くらい聞いた。どうにかならないのか?と。
弊社 気象予報士 小杉さん
「どうにかなるならしてあげたいですが、無理なお話です。現実をお伝えします。明日は早々に中止だと思います。」と何度聞いても同じ答え。
しかし、私は絶対に試合はあると確信していた。そう、私は自称晴れ男。
8年半担当したバンデスの街角中継は、傘を片手に中継したのは年数回。
梅雨時もほとんど傘を持った記憶はなく、「から梅雨」なのかと思い、問い合わせると「夜に雨が降ってますから、降水量は例年並みです。」という回答。
サッカーは雨でも開催。サッカー実況を担当した際、私がベンチリポーターの際はほとんど雨はなし。
実況の時は土砂降りが何度もあったが、その時は私は放送席。
数年前、私が担当した楽天のエース則本の奪三振記録のかかった試合も試合前は土砂降り。でも30分試合開始を遅らせ無事実況。
21年前、初めて担当した台風中継は正確には「台風一過」中継。青空で暑かった。個人的には雨と比較的無縁。
しかし、6月15日 楽天VS広島 という超人気カード。先発も楽天は岸 広島はジョンソンという実績十分の顔合わせの素晴らしいカードは・・・。
雨で中止・・・。野球担当15年で初めての経験。しかも小杉氏の予想通り、私が球場に到着した10時過ぎ、早々に中止発表。
「仕方ない・・・でもなんで今日なんだ? 天気には逆らえないだろ、あきらめろ、俺。でも、なんで実況数も少なくなった俺の日なんだ?」
何とも言えない悶々とした気持ち。でも、これも運。何とか自分を納得させようと頑張った。
でもこの「運」が実に妙なご縁を結んでくれた。今回のブログはこちらがミソ!
中止になったので、広島サイドのリポーターを務めてくれ広島テレビ小野アナを昼食に。もちろんリクエストは「牛タン」。
私も満腹。すこし気が晴れた。
そして、食後、店のカウンターから、こちらを穏やかに見ている方が・・・。初老の男性。その方がおもむろに口を開いた。
「伊藤 拓さんだよね?私、わかるかな?」
アナウンサーならこのような経験、時にあること。私は必死に考えた。バンデスの取材であった方?昔の学校の先生?
しかし、違う。その方はヒントをくれた。「伊藤さんが高校生だったかなー」
これで覚悟を決めました。ギブアップ!!
拓「すみません。どこで会いましたでしょうか?」
男性「やっぱり覚えてないか。仕方ないな。実は私・・・」
男性「拓さんの高校時代に盲腸の手術した医者なんですよ。」
実に30年ぶりの再会?「ここっ、これは失礼しました・・・」
ちょっと私の父親とご縁があったことから私のことはずっと覚えていたそうです。
とにかく痛かったことしか覚えていない虫垂炎の手術。でも無事に手術していただいたから今も健康に頑張れている。
「今も健康に頑張っています。その節はありがとうございました。」30年ぶりに改めて御礼。
「いやいや、いつも見てますよ。雨で中継なかったのは残念ですが、ここであえてよかったですよ。」と先生。
雨で悶々とした気持ちも消えました。これも雨が結びつけてくれた出会いだったのだと。
最後、店を出る際、先生が言いました。
「拓さん、30年前、手術は大変、楽でした。ぜい肉が全然なかったもの。
今はちょっと・・・おなか切るのは大変そうだな(笑)。体調、気を付けて頑張ってくださいね」
先生、どこかで会った際は・・・スリムになっているはずですよ!私。
10キロ痩せて8キロリバウンドした私。また頑張るか!