感謝 四十九日が過ぎて。
本当に面倒見のいい方でした。
ちょっとした表現に拘り、視聴者のことを最優先にされる方でした。
「アナとして一生喋っていたいね・・・」この仕事が大好きな方でした。
5月にお亡くなりになられた日本テレビ河村 亮アナのことです。
系列局の後輩の私も本当にかわいがっていただきました。
本格的にいろいろアドバイスをいただくようになったのは2005年、楽天イーグルスの歴史的開幕戦でご一緒してからです。
実況が河村さん、私がリポーター。ミヤギテレビではイーグルスが出来るまで野球中継がなく、私は入社10年目で初めての野球中継。
右も左もわからない私にリポートを入れるタイミング、取材のノウハウ、本当に基礎的なことから教えていただきました。
数年後、楽天ー巨人の交流戦では私が実況、河村さんがリポーターということもありました。
野球ファンならお馴染みの用語である「貯金」「借金」。
ゲーム終了後、私は何気なく「イーグルス敗れました。これで借金が〇つ。ちょっと苦しい状況です。」とコメント。
しかし、中継終了後
「なあ、日々の嫌なことも忘れ、誰もが楽しく、ワクワクしてみる野球中継。『借金』という表現はどうなんだ?
『借金』ではなく『負け越し』の数は〇つ、で十分だろ」と言われた時、本当にハッとしました。
それ以降、私の実況で「借金」という表現は一切、使わなくなりました。
河村さんがゴルフの中継で福島に来られた時、私のゴルフ中継のVTRを見てくださったことがありました。これも忘れられません。
「テレビ画面に、宮城では3日間にゴルフという競技が映っている。でも、初日、2日目、最終日、見ている人が違ってくるんだ。
そこを意識できたか?初日ならOH!バンデスを放送している夕方の時間帯。普段バンデスを見ている人にも楽しめる構成にしたのか?
2日目なら地元ローカル放送の生中継、地元の選手を中心に、宮城のゴルフファンが喜ぶ構成にしたのか?
最終日は全国ネット。全国のゴルフファンに『誰が勝つのか』という面白さを伝える構成にしたのか?
競技と役者は同じでも、伝え方は全然違うんだぞ・・・」
そこから、ゴルフ中継以外でも、誰が見る時間帯で、何をつたえることが適切なのか?放送に臨む前には必ず考えるようになりました。
コロナ前、何度も食事をご一緒しました。巨人の選手やお馴染みの解説者を紹介してくださり、一気に取材が楽になりました。
国分町で夜・・・所謂、さし飲み。お亡くなりになった時、同じようなことが新聞にも出ていましたが、私も聞きました。
「拓はこの仕事好きか?俺はこの仕事大好きだ。一生喋っていたいね。」
私もこの仕事が大好きです。だからこそ・・・もう少し頑張ってみようと思います。
でも、早すぎましたよ・・・。
共に好物が「レバー」。仙台で私が一番うまいと思っているレバーの店にご案内すると、私、言ったじゃないですか・・・。本当に残念です。
でも、でも、改めて・・・これまで本当にありがとうございました。