「じっくり.」
〝相手の立場に立って考える〟
どうすれば伝わるか、親切か、考え続けることは大切です。
と、よく言ったものですが、これは本当に難しい。
特に、自分と相手の育った環境、してきた経験に差があり
その差が大きければ大きいほど、より難しい。
でも好きで身近なものが、差を埋めてくれたり
助けになってくれたりすることは、あるかなとも。
私にとっては、それがバスケットボールです。
先日、地元・関西へ帰省する機会がありまして
以前から大変お世話になっている、元安陽一さんという方を訪ねました。
プロクラブのトップチーム、ユースチームでコーチを歴任。
ご縁はミヤギテレビに来る前、山口のテレビ局で働いていた時代から。
私が初めてバスケット実況を担当する際に、
解説を担当して下さったのが元安さんなのです。
以来、小まめに連絡を取りつつ、今に至ります。
そんな元安さん、去年12月に大きな転機が。
なんと、車いすバスケットボール女子日本代表のコーチに就任されたのです。
そして今回、関西でお会いするタイミングでたまたま
滋賀県で車いすバスケの大会が開かれていて、一緒に観戦することに。
車いすバスケを生で観るのは初めて、
私が今まで観てきたバスケットと似ている所もあり、少し違うなという所もあり
ゲームバランスに微妙な差はありますが、共通して魅力あるスポーツ。
スクリーンのかけ方、速攻におけるシュートの成功率など
形は違えど戦略、駆け引きの妙があるので、見ていて面白いのです。
それ以上に、プレイヤーの皆さんの競技のこともそうですが
日常生活についても聞いて、知らなかったことばかりで。
正確には知る機会が無いことに甘え、知ろうとしてこなかったことばかりで。
今回それを知ったことで、今後、街で車いすの方をお見かけしたときに
「大変そう」「苦労されてる…」という漠然とした感情だけでなく
今までよりは過不足なく、接することが出来るような気がしています。
バスケットのおかげで、知っている世界の範囲が広がったかなと。
東日本大震災のこともそうでした。
今年の3.11の翌日には、Bリーグ公式映像で仙台と京都の実況を担当。
震災当時、私は関西で暮らしていて、当時の東北のことは想像するしかなく
正直なかなか自分ごとに出来ず、寄り添い方は今も悩んでいる所ですが
当時のことを落合前ヘッドコーチや片岡選手に伺う中で、少しだけ近くに感じられ。
そんなことをじっくり思い出し、考えられるのもオフならでは。
身近な所での相手、取材対象者である選手やコーチから引き出すためのツール
広い意味での相手、視聴者の皆さんにとって親切な放送にするための準備勉強
スキルアップを図りつつ、来シーズンのBリーグ開幕、公式映像実況に備えます。
〝相手の立場に…〟のマインドは、他の仕事にもきっと生きるはず。