アナウンサーブログ

浅野 航平
Kohei Asano

「ジレンマ.」

2026.03.21 (Sat)

先に申し上げておきます。
取り留めも答えも無い話です、あとオチも。

暖かくなってきたので、ふと思い返したのかもしれません。
今から12年前の春、前職である山口のテレビ局に新卒採用で入社した私は
研修もそこそこに「スポーツの企画を作って」と実務に入っていきました。

山口と宮城、都市規模の差もありコンパクトな局でした。
アナウンサーという肩書でしたが、取材に出向き、原稿を書き、映像の編集も。
ひと月前まで大学生、いきなりスムーズに進むわけもなく
進まない取材日程の調整、まとまらない原稿、何が分からないかも分からない編集。
放送に向けて、当時の先輩方には多大なご迷惑をお掛けしたものです。

1年目はその後も企画制作が仕事全体の多くを占めました。
その延長線上に、ミヤギテレビに来てからは「そもそも.」や「アナトピ」が。

どちらかというと不器用な私でも、1年目の時と比べると
13年目となった今現在のほうが作業はスムーズに進みます。
あくまで〝比べると〟ではありますが、巧くなったのだと思います。

しかし、自宅のハードディスクに残してある1年目に作ったものを見返すと…
「あれ…?思ったより悪くない…むしろ今より良い部分も」と思うことがあります。
ストレートで、熱を感じ、粗っぽくもありますが
自分が取材現場で感じたことと制作物のギャップが、より少ないように思うのです。

取材内容をより多く盛り込んだほうが、対象に近づくが雑多で伝わらない。
取材内容から要素を削いでまとめると通りは良いけど、対象からは離れる。

制作物を木彫りのクマに例えるなら、1年目の作品は不完全…〝クマっぽいクマ〟ですが
今なら木くずになってしまっている部分が、クマの一部として
つまりは完成品の中にあって、雑味かもしれないけれど、真実味にも繋がっているのか。

ただ一方で、まとめる行為を否定するつもりはありません。
多くの方に関心を、興味を持って、最初から最後まで放送にお付き合いいただくために
不可欠なプロセス、行き過ぎた粗っぽさは誰かに優しくない可能性もありその観点でも。

先日制作した「89ERS、好調のワケは?」
かなり悩みながら作りました、かなり〝まとめる側〟の作品だと思います。
バスケットを普段ご覧にならない方にも向けたもので、各所デフォルメしました。

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ある甘い果物に、砂糖を加えたら嘘だけど、付け合わせの塩分を少し濃いめにすると
よりはっきり甘さを感じてもらえるかな…といった感覚で整理をしつつ
ただ、限られた時間の中で〝前向きに〟多くを盛り込めました。

良くも悪くも「こう伝われば…」という意図を持ってはいますが、果たして。
感想、コメント欄でもSNSを通してでも是非お寄せください、伺いたいです。

企画制作に限らず
誰かの人生や、誰かたちの人生の一部を、また違った誰かに向けて発信するのは
難しく、悩ましく、やり甲斐に溢れています。

技術や効率が目的では無いことと、湧き上がる熱さが不可欠なことを忘れず、引き続きです。

浅野 航平
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