今回の番組出演に対する思い

　10年という節目はとても大事な機会です。いまの小学生は記憶がないと思うし、そういう子どもたちにも震災ということを繋げていくことが大切です。こういうふうに、震災を伝えようという番組があることがうれしかったし、僕が思っていること含めて伝えていきたいです。

今回の番組出演に対する思い

　10年という時に、この番組に携われてありがたいと思いますし、大学の研究でお世話になった陸前高田の街に、こういう形で関われるのはありがたい。
　それと同時に、「何を伝えるべきか」、初めに番組が決まった時は悩みました。10年が経つと、ポジティブなこと、おいしいご飯があること、地元に人を呼び込むことなど、元気なことを取り上げがちだけど、10年たってもまだまだ大変な思いをされている方がいます。そして、ようやく復興してきたときに、新型コロナの影響でさらに大変なことにもなっていて…。僕らもどうチカラになれるか分かりませんが、メディアを通して応援していきたいと思います。

　今回のキーワードになっている「ゼロからイチ」。大変つらい震災があって、そのつらさの中で、私も被災地に通いました。そこから生まれる縁というものが、この10年でたくさんありました。それは被災地の皆様もお話しされていて、震災は悲しかったけど震災がなければ出会えなかった人とたくさん出会えた、たくさんの縁をもらった、という言葉をいただきました。僕もその通りで、石巻に通い始めてからたくさんの友人ができた。縁をいただいた。故郷でもないのに石巻の観光大使もさせていただいている。街の復興は人が戻らないと難しいですが、目に見えない縁というつながりの数は、この10年の中で東北の被災地にはできたはずです。これからの10年は、その縁がさらに縁を結んでいく。そうなると思っていますし、そうなって欲しいと思っています。人の温かさというか、いま人間が必要としているものが東北にはある。みんなの故郷になりえると思う。元通りになるまで共に寄り添って歩んで行くという気持ちが忘れずにあってほしいです。